百合鏡 世界詳説

※ここの情報は知らなくても困る事はないと思います。また、気が向いたら変わる事があります。

世界概観

どこの国も、国外の情報は旅人か調査船、交易船を通してしか知りません。
よって、遠方の国の実情は不明です。
旅人達の情報網が最大の情報源です。

主な大国は、東の耀華帝国、西のプラインカルド王国、南のホンティガ共和国と言われています。

プラインカルド王国

トスナ大陸最大にして最強の国家。
国王は初代勇者の末裔と言われており、完全に世襲制である。
魔界との交易を独占しており、関税他でかなりの収益を得ている。
国土は戦争で荒れた部分が多く、はっきり言って住みにくい。
近隣国との交易がなければ生活は苦しいだろうと言われている。

住人はほとんど人間が占めている。
残りの大部分が魔族であり、他の種族は非常に少ない。

産業はやはり魔法製品。
今は他国も魔法の研究はできるが、魔界と接している分、地の利がある。
特に信頼性の面では確実に有利である。
民間では、退役軍人による傭兵業が多い。

軍事力は近隣諸国と比べると非常に強い。
しかし、それでも過去の大戦では幾度か大きな犠牲が出た。

耀華帝国

本国は小大陸一つを完全に占める大国。他に多数の属国を持つ。
他国と比べ、独特な文化を持つのが特徴。
科学技術が他国より進んでいて、「電気」を発明するなど、産業の発達が早かった。
一方、人魔大戦で勇者が勝った事から「魔法は科学に劣る」として魔法を見下してきた。
最近は科学力の限界が来たと言われている。

人口構成は人間が最も多く、次いで準人が数割いる。
また、他の国と比べ非常に機械をよく見かける。
精巧な人型機械が人知れずまぎれているという噂もある。

産業は主に観光と工業製品。
その独自の景観から、観光地としてかなりの人気がある。
名工も多いので、観光目的でなくとも通って損はない。

軍事力は主に海軍が強い。
かつて他国に侵攻していた時代には、無敵艦隊として恐れられた。
現在は十分な領土を得たとして攻め入らないが、魔法を恐れたためという噂が強い。

なお、平須国はこの国の属国だが、本国との連携は薄い。

ホンティガ共和国

パーピル大陸の半分程度を占めると思われる国。
領土の割に町や村が少なく、その全容を知る者は少ない。
万物に神が宿ると信じる宗教が国家の中心となっており、その結束力から高い軍事力を持つ。
一応共和制となっているが、政治を行えるのは神官としての能力がある者のみ。
科学も魔法も遅れた未開の国とも言われるが、領土と軍事力は大国と呼ぶのに相応しい。

人口構成はおそらく人間と準人が同程度。
あまりに広いため、おおよその人数すら見当が付いていない。

産業は農業と木工。
安くて質がいい品物が多く、特に農作物は人気が高い。

レクトフォジー王国

北のコムアラソ大陸で勢力を広げつつある国。
数十年前、魔法と科学の融合を目的としてザドリア王国から独立、建国された。
建国当初はザドリアに滅ぼされかねない小国だったが、次第にザドリアをしのぐ強国となった。
その建国方針から、技術や魔法に優れた者なら、準人も魔族も差別なく受け入れている。
また、トスナ大陸の近くに位置し、特にプラインカルドとは親交がある。
魔法と科学を同時に研究する国は少なく、その中で最も発展したこの国は世界で注目されている。

産業は主に魔法科学製品。
単なる魔法製品より希少度があるため、これだけで経済はほぼ安定する。
さらに、通常の科学製品や魔法製品もある程度生産している。

軍は物理隊、魔法隊に分かれている。
統率の取れた両軍と質のよい魔法科学装備により、高い戦闘能力を有する。
しかし、片隊だけになると大きく弱化する他、海上戦には弱いという欠点があるらしい。

大外洋

世界の外側とも言われる、謎の海域。
数多くの冒険者が挑み、そして消えていった。
耀華帝国がこの謎を知っているという噂もあるが、定かではない。

魔界

魔族の故郷であり、魔王が住む世界。
対して、こちら側の世界は人界と呼ぶ。
噂によると、魔界の見た目は人界とあまり変わらないらしい。
人界で知られている範囲は全て魔王の支配下である。
その範囲の外は今まで誰も調べる事に成功していない。

キーワード

魔法

魔界よりもたらされた謎の技術。
現在では、人間も多少は使える程度まで研究が進んでいる。
詠唱、印、呪具など、その使用には様々な方法がある。
とはいえ、使い方以外にはまだ何も判明していない。
魔族の使う魔法も、大半は偶然に生まれたものらしい。
また、魔界で禁忌とされた魔法が、研究により発見されてしまう問題などもある。
そのような危険性や不確実性から、研究を禁止する国もある。

人魔大戦

人界と魔界の間で起こる戦争。
理由は様々で、魔族の侵攻である場合が多いが、逆に人間の侵攻である場合もあった。
現在まで、第一次以外にトスナ大陸の外に戦線が広がったことはない。

魔王/勇者

魔王は魔界の頂点に立つ者である。
正確には、人界の者が知る範囲での頂点である。
魔王に求められるのは戦闘力のみのようだ。
そのため、その地位は世襲ではなく、簒奪も何度も行われてきた。
魔王の命令も、多くの魔族は従うが、絶対というわけでもないらしい。

勇者は人魔大戦を終わらせた者をいう。
必ずしも魔王を倒す必要はなく、説得で終わらせても構わない。
だが、魔王を戦闘以外で納得させるのは非常に困難だと思われる。
また、戦闘の結果魔王が生きていてもよく、これは多くの勇者に当てはまる。
何百年も前から何人もの勇者がいるので、勇者の家系であることにあまり意味はない。
ただし、初代勇者だけは別格で、王家のステータスにもなるほど。

旅人/冒険者

旅する者全般を旅人と呼ぶ。
その実体は紀行文作家であったり、行商人であったり、ただの根無し草だったりする。
遠方の情報を伝えたり、国家間通信に使われるなど、各国で重宝される。
その中で、魔界や大外洋など、危険な場所を主な行き先にする者を冒険者と呼ぶ。
だが、あまり人数がいない上に旅人と大差ないので、旅人と呼ばれる事が多い。

言語

世界的な共通語は存在しない。
ただし、トスナ大陸近辺では西大陸共通語(甲語)を使っている。
平須では耀華の言語である華語も使われるが、基本的に甲語も話せる。
また、魔族には魔族語があるが、甲語でもある程度通じる。
特に、人界にいる魔族には甲語の方が通じることもある。

トスナ大陸概史

ロゼッタ暦300年頃フィンデン王国の移民船が遭難し、流れ着く。
ロゼッタ暦310年頃大陸南西にフィンデン王国の属国としてトスナ王国が誕生。
トスナ暦1年フィンデン王国滅亡、トスナ王国独立。
トスナ暦30年頃トスナ王国より北に謎の空間(現在の「魔界への門」と思われる)を発見。
北方調査隊を何度か派遣。
トスナ暦40年頃トスナ王国滅亡。王国の歴史資料はほぼ失われる。
以後しばらくの記録は旅人の情報による。
トスナ暦50年頃コムアラソ大陸、イディール大陸に魔族が進出。第一次人魔大戦。
トスナ暦60年頃サムアップ平原の戦い。弓を主軸にした戦法で人側が初勝利する。
以後、それまで補助だった弓兵が主力になる。
トスナ暦70年頃ある冒険者が、トスナ大陸に少数精鋭で上陸。
大陸を平定し、魔界に侵攻する。
トスナ暦80年冒険者、魔界より帰還。勇者と呼ばれるようになる。
勇者、プラインカルド王国を建国。魔界との交流と監視に努める。
(中略)
トスナ暦165年耀華帝国の調査隊がトスナ大陸西の島を発見。平須国とする。
トスナ暦174年ゴレン山脈より東の未開地域に集まりつつあった魔族や準人などが団結。
キシェタトル国として正式に国家となることを宣言。
(中略)
トスナ暦309年~316年第三次人魔大戦。大きな被害を出しながらも、人側の勝利。
トスナ暦317年前年の大戦の戦後処理に不満を持ったプラインカルド軍部の一部が反乱。
大戦再発の危機を感じた一部民衆もそれに同調。
テネルメント要塞に立てこもり、リバーシ国として独立する。
(中略)
トスナ暦811年~第二十次人魔大戦。プラインカルドはほぼ壊滅し、他の各国も防戦一方となる。
トスナ暦813年トスナ大陸に勇敢な旅人や商人などが集まり始める。

種族詳説

※以下で紹介されている種族は一部です。

人間

人界の文明において中心的な種族。
必ずしも人口分布の多数派というわけではないが、とにかく広範囲に活動圏を持つ。
主に科学技術を用いて発展してきた。
今では研究により、魔族にも劣らない魔法技術も持ち合わせている。
ただし、魔法の使用に関しては、まだ認めない人もいる。

人種は存在するが、準人や魔族と違い同じ種族なので、気にする人はあまりいない。

準人

人間に似た容姿の種族の総称。亜人とも言う。
人界の発展を陰で支えた種族。
極地的に集まって生活する傾向にある種族が多い。
多くは特定の素材の扱いに長け、人間には難しい加工を行える。
また、魔法に関して人間より扱いに優れた種族もある。
人間とは対等な関係にあることが多いが、国や地域によって差はある。

エルフ

準人の中でもよく知られた種族の一つ。
かなり人間に近い姿をしている。
森に住み、魔法や魔力を持つ金属の扱いに優れる。
あまり外界との関わりを持とうとはしない。

ドワーフ

最も人間に親しまれている種族。
小柄だが屈強で、主に山に住む。
金属加工が得意。

ゴブリン

比較的活動範囲の広い種族。
刹那主義であり、倫理観に欠ける者が多いのが特徴。
計略を考えるのが得意であるが、知識が浅い者が多いため効果は低い。

精霊

幽霊とか自然の象徴とか、そういった類の存在。
実体はないが、何かに宿っている事が多い。
エネルギーの多い場所を好む性質がある。

幽霊

魔力の高い人間は、死んでも霊体が残る事がある。
多くは時間が経てばそのまま消えてしまうが、たまに長く残る霊もある。
その場合も、生前の記憶は急速に失われていくようだ。

妖精

下級自然霊の総称。
エネルギーが高く、人があまりいない場所に、いつの間にかいる。
妖精を見るとその土地の性格が分かるという。

土地神

自分に適した場所に長く住む事によって、強力になった精霊。
その場所に精霊の影響が出るようになる。
土地神がいる土地は豊かである事が多い。

動物

人界のあちこちに生息する、人以外の生物。
獣人もこのカテゴリに入る。
獣人や人間の言葉を理解する動物は、この世界でも多くはない。
一方、トスナ大陸近くでは、比較的よく見かける。
このため、魔法の影響で生まれたという説がある。
しかし、全く関係ないかもしれない。

機械

人間が作った存在。
モーター音が鳴り響くようなものから、人に近い格好のものまで、様々な種類がある。
主に耀華帝国が作っているとされ、実際耀華では大量に見られるらしい。
属国である平須でも見る事ができる。
一方で、耀華以外で作られたと思われる機体もいる。

魔法機械

トスナ大陸近くにあるレクトフォジー国で研究されている機械。
動力を電気ではなく魔法エネルギーにしている。
まだ研究段階で、耀華のように大量生産は出来ていない。

魔族

魔界における人間の総称。
というより、交流可能な魔界の生物は全て魔族と呼んでいる。
本来は多種の種族がいるが、人界ではあまり区別されていない。
人間や準人に似たものもいるが、独特の雰囲気があるので、魔族だということだけはすぐわかる。
交流開始から数百年経ち、人界に住む魔族の多くは魔界を忘れたり知らなかったりする。

性格は好戦的で力本位が多い様子。
相手の実力が高ければ服従する反面、低ければ歯牙にもかけないこともある。
また、名乗らないのが偉い証であり、そのため魔王の名前は誰も知らない。
ただし、人界で生まれた魔族には当てはまらない場合がある。

魔人族

あえて魔族を区別する時に、人間とほぼ同じ見た目を持つ種族を指す言葉。
実際には何種かの種族が含まれているかもしれない。
馴染みやすい容姿であるためか、人界での人数は他の種族より圧倒的に多い。
最も魔族を体現していると言われ、魔族のイメージが大体当てはまる。
一方、この種族にのみあてはまる事象が魔族全体のイメージになっている場合もある。

天使族/悪魔族

背中に羽を持つ魔族。
白い羽を持つのを天使族、黒い羽を持つのを悪魔族という。
が、どうやら両者は実は同じ種族らしい。
そのため、公的な呼称は天使族で統一されている。
性格は色に関わらず粗野で横暴であり、そのため、私的には逆に呼称を悪魔族で統一している者もいるとか。

鬼人族

頭上に角を持つ魔族。
大柄で角を持つため恐れられやすいが、温和な傾向にある。
魔法を扱うのはあまり得意ではないようだ。
人界では見かける事が少ない。

魔物

魔界に住む、文明を持たない生物。
多くは好戦的で、本能のみで動く。
魔法を使う分、戦闘になると人界の動物よりも厄介。

インプ

魔界に多く生息する小型の魔物。
弱い代わりに数が多く、戦争の際にはよくばらまかれる。
熟練の戦士や兵士はあえて見逃し、後進に経験を積ませるのがマナー。